ドン・キホーテの経営視点

小銭入れ

市場を味方に付ける

現在はどのような市場でも競争力が問われ、同一市場で競争力が乏しい企業は負け組となる時代です。とくに小売業を見てみると価格競争は激しく、1円でも安く販売する企業が市場に残り、この市場競争に負ければ同一市場からの撤退を余儀なくされます。業態がディスカウント小売業であれば、薄利多売で売り上げをつくります。しかし、ディスカウント小売という同一市場には、同じように安く売ることをコンセプトとしてビジネスを展開する企業が、価格を下げて競争を激化させています。これが結果として完全に市場原理が働き、まさに消費者にペースが握られます。ディスカウント小売業は一見好況に見えても、経営は厳しいのが現実です。ディスカウント小売大手のドンキホーテホールでイングス(以降ドンキ)は株式市場に上場する企業で、圧縮陳列や総合ディスカウント(車から食品まで様々な商品を取り扱うディスカウントストア)として有名です。多くのディスカウント企業がある中、ドンキの業績は右肩上がりで、2020年のオリンピックを控えた日本で、今後もインバウンド消費が期待できる企業と言えます。ドンキが他社と異なることは、ただ物を安く売るのではなく、ものを売るための工夫がされ、また利益が出る仕組みが綿密に計算されている点です。出店時の設備投資を最大限に抑えるため、退店放置されている物件に注目し、地権者に現状で借りることを条件に家賃を大幅に下げる交渉を行います。また、競争を仕掛けることが他店に影響を与えるため、退店する店舗が増えると居抜きターゲットとなります。まさに市場競争を追い風としています。テナントを募集し収入に組み込み、限られた陳列ブースでありながら圧縮陳列するのです。これによって通常の陳列の3倍の陳列が出来、ブースを有効活用し、利益を拡大しています。外国人観光客は小売にエンターテイメント性を求めるため、ドンキの業績はここ数年良好となっています。